調剤薬局冬の時代に、減給、解雇者まで出る中、かかりつけ薬剤師以外の方の転職、就職事情はどうなのか(1)
2016年春の調剤報酬改定のため、八方ふさがりの調剤薬局
調剤薬局にお勤めの方は、ご存じだとは思いますが、2016年春の調剤報酬改定で、調剤薬局の経営環境はかなり厳しくなりました。
当社とおつきあいのある中堅規模の調剤薬局でも、昨年6月ごろから、調剤基本料の半減のあおりをうけ、「今いる薬剤師さんの雇用をどうしようか」とか、「高額パートや高収入の薬剤師を雇う経営状態じゃなくなった」という相談が次々と寄せられ、薬剤師さんの再就職先を探すお手伝いをいくつかさせていただきました。
調剤薬局の経営体力とは、いくら内部留保(積み上げた資産)があるか、いくら出店にかかる借金が少ないかにかかっています。
いけいけドンドンで、借金に借金を重ね、店舗を拡大してきた会社は、主には、収入の基礎である調剤基本料の半減で、決定的な打撃を受け、薬剤師や店舗の削減を余儀なくされました。
薬剤師の待遇、雇用に大きなシワ寄せが
「かかりつけ機能に係る業務を行っていない調剤薬局の調剤基本料が半減する」
これは、かかりつけ機能のハードルが高いため、特に店舗拡大に伴い、薬剤師の少ない中堅、準大手の調剤薬局には、大打撃になったのです。
そのため、一部の調剤薬局で引き起こされたことは、
(1)高収入のパートの解雇
(2)調剤薬局勤務3年未満で、高収入をもらっている薬剤師、特に高齢の人の解雇
(3)パートや、調剤薬局勤務3年未満の薬剤師の減給
(4)勤務する薬剤師すべての減給
などです。
若い薬剤師さんに比べ、比較的に年齢の高い薬剤師さんは、家の長期ローンがまだまだ残っていたり、子供の学費や仕送りがあったり、その支払いに、給料を当て込んでいたので、かなりの打撃になりました。
この状況の中で、薬剤師さんが転職や就職をするには、何をしたらいいでしょうか。
調剤薬局を経営する会社を見極めて選ぶ
無理のない経営、すなわち借金の少ない経営をしてきた中堅、準大手、大手の調剤薬局は、経営体力を残しつつ、薬局のかかりつけ機能を強化していくので、当面解雇や減給の心配は少ないといえます。
しかし、次の調剤報酬の改定で、調剤薬局に関しては、また報酬が下がる方向になる可能性が高いです。そのため、中長期的に解雇や減給の可能性は残ります。
「経営資本力の大きな会社」
「今後、何十年も続くであろう大手」に勤めるのが、現状ではベターな選択になります。
次回は具体的に、大きな会社、大手についてざっと見ていきます。(続く)